信州そば

信州そば

信州は、「そば切り発祥の地」とされています(諸説あり定説ではありません)。山深く昼夜の寒暖差が大きい長野県では、昔から良質な蕎麦が産出され、地域ごとに適した美味しい蕎麦の品種が生まれ、様々な蕎麦の食べ方が考案されてきました。

信州そばとは、そうした蕎麦の名産地である信州で供され、食べられている蕎麦を総称した呼び名です。香川県のうどんを「讃岐うどん」と呼ぶのと同じ様に、信州以外では滅多に食べることができない、秀でた品質と味の蕎麦であるからこそ、「信州そば」という呼び名が広く認められてきました(参考「信州そばとは? 蕎麦の種類と産地」)。

長野県内にはソバの特産地が沢山あり、地域ごとに特色ある美味しいお蕎麦を提供しています。信州にお越しの際は、本場ならではの、”挽きたて・打ちたて・茹でたて”の「三たて」信州そばを、ぜひご堪能ください。

信州そばマップ

信州そばマップ 雪割そば 富倉そば 天神そば 早蕎麦 名水火口そば 涌井そば 凍りそば 戸隠そば 須賀川そば 早蕎麦 新行そば 更科そば おしぼり蕎麦 唐沢そば 奈川そば 開田高原そば すんきそば 長和そば 小海そば 相木そば 川上そば 梁越そば 八ヶ岳西麓産そば どうづきそば 寒晒しそば 赤そば 高遠そば 行者そば 信州大そば 信州中馬そば 下栗そば さんまのそばだんご

ご当地信州そば

雪割そば

飯山市では、富倉地区とならんでなべくら高原でもソバの栽培が盛んです。戸狩温泉の民宿や旅館などの経営者が参加する「みゆき野そば街道協議会」では、そのなべくら高原で採れた信濃1号を低温倉庫で保管し、石臼挽きしたそば粉を、名水の誉れ高いなべくら高原のブナ林から湧き出た自然水で打った蕎麦を、「雪割そば」と命名し、地域のブランド品に育てようと取り組んでいます。

おすすめ店そば処・石田屋一徹 【公式HP】
そば処・石田屋一徹
住所
長野県飯山市豊田6786
TEL
0269-65-2121
営業時間

昼:11:00 - 13:30(L.O.)

夜:応相談

定休日
月曜日(祝日の場合は翌日)
料金

ざる(並):950円

野菜天ざる:1,470円

富倉そば

飯山市の富倉地区は、県下有数のソバの特産地。地元では、蕎麦の”つなぎ”に、オヤマボクチ(雄山火口)という山菜が主に使われています。オヤマボクチをつなぎに使うと、そば粉の味が変わらないため、十割そばの香りそのままに、喉越しの良い蕎麦が味わえると人気です。色の濃い蕎麦で、シコシコとした歯ざわりも特徴的です。

ただし、山から採ってきたオヤマボクチを仕込むには大変な手間ひまがかかり、さらに打った生地を乾かすのにも時間がかるため、富倉そばは”ハレの日”に振る舞われる特別なご馳走として食べられてきました。また、新潟県との県境にある富倉地区は、冬は雪深く道が細いため、昔は村人以外が滅多に立ち入る様な場所ではありませんでした。そのため、富倉そばは、「幻のそば」とも言われてきました。

おすすめ店はしば食堂 【Googleマップ】
はしば食堂
住所
長野県飯山市滝ノ脇3206
TEL
0269-67-2340
営業時間
昼時(そばがある間)
定休日
不定休
料金

並: 800円

大盛:1,200円

天神そば

「天神そば」は、栄村産の玄そばをオヤマボクチとフノリをつなぎにして手打ちした、栄村伝統の平打ちそばです。富倉そばと同様に、噛み応えがあり、風味ゆたかでのど越しの良さが自慢です。

おすすめ店北野天満温泉 【公式HP】
北野天満温泉
住所
長野県下水内郡栄村大字堺14655
TEL
0269-87-2892
営業時間
昼の部:11:00 - 14:00
定休日
毎月15日(休日の場合は翌平日休)
料金

天神そば: 900円

天ぷらそば:1,300円

早蕎麦

早そば「早蕎麦」とは、栄村秋山郷と山ノ内町須賀川(すがかわ)に伝わる、ゆでた千切り大根に水溶きそば粉をからめて団子状にして、季節の野菜や山菜と煮て食べる、めずらしい郷土食です。“ハレの日”に振る舞われる蕎麦切りに対して、手早く作れる早蕎麦は「“褻”(ケ=日常)の食」として、食べ継がれてきました。素朴な料理ですが、大根のシャキシャキ感と、そば粉団子のフワフワ感が、絶妙な食感と人気があります。

おすすめ店苗場荘 【公式HP】
苗場荘
住所
長野県下水内郡栄村大字堺小赤沢18165
TEL
0257-67-2136
営業時間
昼食:11:00 - 14:00
定休日
不定休(平日要予約)
料金
早そば:800円

名水火口そば

名水火口めいすいぼくちそば」は、木島平村で食べられる、地元産のそば粉と、名水百選にも選ばれた龍興寺清水など村内の清らかな名水と、オヤマボクチ(雄山火口)をつなぎに使ったそばです。木島平村の特産として、2008年に当時の長野県副知事に「名水火口そば」と命名され、グループに加盟する3つの店舗と14の団体が、名水火口そばの普及とブランド化に取り組んでいます。

おすすめ店手打ちそば 樽瀧 【公式HP】
手打ちそば 樽瀧
住所
長野県下高井郡木島平村上木島2548-1
TEL
0269-82-3955
営業時間
11:00 - 14:00
定休日
水・木曜日(祝日は翌営業日)
料金

名水火口(二八):700円

十割火口そば:  1,000円

須賀川そば

「須賀川そば」とは、ソバの特産地である山ノ内町須賀川地区で伝統的に作られ供されてきた蕎麦の総称です。須賀川そばの特徴は、地元産のそば粉を使い、つなぎにはオヤマボクチを使っています。そば切りとして頂くだけでなく、この地域独特の伝統的な蕎麦料理である「早そば」という食べ方でも供されています。

おすすめ店岩本そば屋 【Googleマップ】
岩本そば屋
住所
長野県下高井郡山ノ内町苗間7654
TEL
0269-33-6536
営業時間
11:00 - 売切終い
定休日
木曜日
料金

盛そば: 700円

はやそば:400円

涌井そば

斑尾山の山麓にある中野市涌井地区(旧 豊田村)で採れる霧下そばは、「隠れ戸隠」とも呼ばれるほど、味が良いと評判です。涌井は15軒ほどの小さな集落で、以前は3軒の蕎麦屋がありましたが、人気店であった「みゆき」が2018年に閉店し、今は「涌井せんたあ」と「きたざわ」の2軒のみの営業となってしまいました。何れも、自家栽培したソバだけを使う、ソバ農家の店です。

おすすめ店手打ちそば きたざわ 【Gマップ】
手打ちそば きたざわ
住所
長野県中野市永江涌井7961
TEL
0269-38-3322
営業時間
11:00 - 18:00
定休日
月曜日
料金

ざるそば:650円

ざる大盛:800円

凍りそば

凍りそばこおり蕎麦」(「み蕎麦」とも)は、北信濃で寒い冬を越すために、むかし食べられていた保存食です。手打ちのそばを一口大に丸めてざるに並べ、冬の厳寒期に野外で一晩凍結させ、一月ほどかけて室内で乾燥させて作ります。インスタント麺の様にお湯で戻せばすぐに食べられますが、昔は囲炉裏に吊るした鍋に野菜などを煮立てた汁を作り、その中で”とうじかご”に入れた凍りそばを振って戻して、客人に振る舞われてきました。しかし作るのが面倒なため、長いことその製法は途絶えていましたが、信濃町の柏原地区に住む農家の女性たちが復活。昭和58年には、柏原に伝わる「手打ちそば(凍りそばの技法)」として、長野県の選択無形民俗文化財に指定されました。現在、凍みそばが食べられるのは、北信濃でも柏原地区のみです。

おすすめ店手打ちそば工房 若月 【Gマップ】
手打ちそば きたざわ
住所
長野県上水内郡信濃町柏原2487-3
TEL
026-255-4321
営業時間
11:00 - 14:30(売切迄)
定休日
月曜日(祝日の場合は営業、夏季は無休)
料金

ざるそば:650円

ざる大盛:800円

戸隠そば

戸隠そば「戸隠そば」とは、霧下そばの名産地でもある長野市戸隠地区(旧 戸隠村)で伝統的に作られ供されてきた蕎麦の総称です。戸隠では一般的に、ソバの甘皮を取らずに挽く“挽きぐるみ”のそば粉を使い、打つ際には麺棒で四角ではなく丸く伸して、それを台に打ちつけて粘りとコシを出します。湯でた麺をザルに盛る際は、蕎麦の水を切らずに食べやすい塊り(ボッチ)に丸めてに盛り付けることで、瑞々しさを出しています。ちなみに「戸隠そば」は、岩手県の「わんこそば」、島根県の「出雲そば」と共に、「日本三大そば」の一つとされています。

おすすめ店うずら家 【公式HP】
うずら家
住所
長野県長野市戸隠3229
TEL
026-254-2219
営業時間
10:30 - 16:00(売切迄)
定休日
水曜日・第2火曜日
料金

ざるそば: 840円

天ざるそば:1,700円

新行そば

大町市美麻地区(旧 美麻村)にある新行高原(中山高原)は、美味しいソバが採れることから、「そばの里」とも呼ばれています。古くは麻の栽培が盛んだった美麻では、標高が高く火山灰が堆積した傾斜地がソバの栽培にも適しており、麻の裏作としてソバが栽培されてきました。美麻の農家で頂くそばには、漬物のほかに、ソバを余すことなく使って作ったそば湯のよせ(ようかん)やうすやきが添えられています。

おすすめ店美郷(みさと) 【Googleマップ】
手打ちそば 美郷(みさと)
住所
長野県大町市美麻新行14890-1
TEL
0261-23-1334
営業時間
11:00 - 17:00(売切迄)
定休日
火曜日
料金

ざる:700円

そばうすやき:700円

更科そば

更科そば砂場、藪と並んで「江戸そば」の御三家と呼ばれる「更科そば」。その発祥は諸説ありますが、信州更級(現在の長野県千曲市を中心とした周辺地域)から江戸に出た商人が、恩義のあった保科家の一字をもらい、「更科そば処」という銘を看板に掲げたのが始まりとされています。更科そばは、戸隠そばの様に”挽きぐるみ”のそば粉ではなく、ソバの実を臼で挽いた際に最初に出てくる柔らかい実の中心部分の白い一番粉を使っているので、色白で香りが立ち、舌触りが良いのが特徴です。

おすすめ店一松亭 【Googleマップ】
信州そば処 一松亭
住所
長野県千曲市大字屋代2783
TEL
026-273-1102
営業時間
11:00 - 20:00
定休日
水曜日
料金

ざるそば: 600円

天ざるそば:1,300円

おしぼり蕎麦

長野県坂城町で採れる伝統野菜の特産品、地大根の「ねずみ大根」は、その辛味が命。辛い大根をおろした絞り汁に、味噌とネギなどの薬味、好みに応じてクルミダレなどを入れて味付けをし、うどんや蕎麦をつけて食べる「おしぼりうどん」や「おしぼり蕎麦」が名物です。辛いのが苦手な人には、とても食べられたものではありませんが、好きな人には、その辛さが病みつきになります(笑)。

おすすめ店かいぜ 【Googleマップ】
おしぼり十割そば かいぜ
住所
長野県埴科郡坂城町中之条2366-3
TEL
0268-81-3595
営業時間
11:30 - 14:00(売切迄)
定休日
月・火曜日
料金

おしぼりそば: 1,000円

おしぼりうどん:1,000円

唐沢そば集落

松本市と接する山形村の外れにある唐沢地区には、約500mほどの通りに7軒のそば屋が軒を連ねています。そのほとんどが、農家が自宅を解放した田舎の“お座敷スタイル”の店で、自家栽培したソバを使って蕎麦を振る舞ってきましたが、農家の高齢化とともに、お店の数は徐々に減ってきてしまいました。唐沢地区では江戸時代から、村内を流れる唐沢川の水を利用した水車小屋が建ち並び、ここで採れたて挽きたての蕎麦が評判を呼び、そば集落が形成されました。

また、山形村のそば職人たちが、地元特産のソバと長芋を使った「やまっちそば」を考案し、村の名物にしようと普及に取り組んでいます。そばの上に細く麺状に切った長芋を載せ、そばと絡めて頂きます。ツルっとした喉越しと、シャキッとした食感が絶妙です。

おすすめ店水舎(本店) 【公式HP】
石碾き蕎麦 水舎(本店)
住所
長野県東筑摩郡山形村下竹田7249
TEL
0263-98-3002
営業時間
11:00 - 15:00(売切迄)
定休日
月曜日(祝日営業)
料金

粗びき蕎麦: 850円

やまっちそば:930円

奈川そば(とうじそば)

岐阜と信州とを結んだ野麦街道一の難所、野麦峠の入り口に位置する、松本市奈川地区(旧 奈川村)も、ソバの産地として有名です。標高が高い奈川の寒い冬でも、おいしく蕎麦を食べたいと考えられたのが、奈川名物の「とうじそば」(投汁そば)。小さく丸めた蕎麦を“投じ籠”に入れて、季節の野菜やきのこがたっぷり入った鍋に浸し、さっと湯がいて食べる、野麦峠の里に古くから伝わる伝統料理です。

おすすめ店そばの里奈川(本店) 【公式HP】
そばの里 奈川
住所
長野県松本市奈川1173-14
TEL
0263-79-2906
営業時間
10:00 - 16:00(売切迄)
定休日
火曜日
料金

とうじそば(2人前):2,500円

お煮かけ蕎麦:1,100円

ざるそば:850円

開田高原そば

標高が1100~1300mの開田高原では、清々しい空気と水はけのよい火山灰の土、厳しい寒暖差による深い霧が良質のソバを産し、御嶽山から流れ出る雪解けの冷川が美味しいお蕎麦を作り出します。開田高原には蕎麦屋がたくさんありますが、やはり「とうじそば」や「すんきそば」などが人気です。

おすすめ店そば処 まつば(本店) 【Gマップ】
そば処 まつば
住所
長野県木曽郡木曽町開田高原末川3904-1
TEL
0264-42-3100
営業時間
11:00 - 18:00
定休日
月曜日(祝日の場合は翌日)
料金

ざるそば: 930円

すんきそば:1,000円

すんきそば

「すんき」とは、塩を使わずに赤カブの葉を乳酸菌発酵させた、すっぱい漬け物で、木曽地方に古くから伝わる珍しい保存食です。すんき漬けとも呼ばれ、そのまま食べるだけでなく、アレンジして様々な郷土料理にも使われています。このすんきを、温かいかけそばに載せたり汁に入れたのが、木曽名物の「すんきそば」。今では一年中食べられますが、11月下旬から2月頃までがすんきの旬で、木曽の冬を代表する味覚です。

おすすめ店くるまや本店 【公式HP】
木曽福島 くるまや本店
住所
長野県木曽郡木曽町福島5367-2
TEL
0264-22-2200
営業時間
11:00 - 16:00(品切れ迄)
定休日
水曜日
料金

ざるそば(並):1,220円

すんきそば(並):900円

長和そば

長和町はソバの産地として有名ですが、その特産の品種が「ダッタンソバ」。ダッタンソバとは、別名“苦ソバ”とも呼ばれ、通常は苦味が強いのですが、その分、ルチンの含有量が通常のソバの120倍以上も豊富なことで知られています。ところが、長和で採れるダッタンソバは、この苦味がほとんどなく、普通のソバのように美味しく頂けると人気です。

おすすめ店十割手打ちそば 黒耀 【公式HP】
そば処 黒耀(旧十割さらしな蕎麦 とく田)
住所
長野県小県郡長和町和田3360-1
TEL
0268-88-3166
営業時間
11:00 - 15:00
定休日
水曜日(繁忙期は無休)
料金

十割ダッタンそば:1,000円

 〃 天ぷらセット:1,500円

小海そば

小海町では、遊休農地(耕作放棄地)を活用した「そばの里づくり」事業を推進し、今では町営の日帰り温泉施設「八峰の湯」をはじめ町内にある4店舗の食堂で、地元産のソバを使った「小海そば」が振る舞われています。また、タモリさんも贔屓に通うという東京都内でも有数の人気店「大川や」でも、旬の時期には小海そばを頂くことができます。大川やでは、季節ごとに最もおいしい玄そば、収穫後にただちに真空・低温保存し、その日使う分だけを石臼で自家製粉しているそうです。

おすすめ店手打そば 大川や 【Gマップ】
手打そば 大川や
住所
東京都千代田区九段南3-4-2
TEL
03-3234-8887
営業時間

昼:11:30 - 13:30(品切れ迄)

夜:18:00 - 21:00(L.O.)

定休日
日曜日・祝日
料金

せいろ:800円

平日お昼限定膳:1,600円

相木そば

南佐久の相木地域で採れたソバは、別名「霧中そば」とも言われ、その昔、江戸の庶民にとっては戸隠と並び称されるほど垂涎の的だったそうです。その後、相木でのソバ生産は廃れてしまいましたが、平成11年に南相木村の数名の有志が「南相木そば生産組合」を立ち上げ、遊休農地を有効活用した相木そばの復活に取り組み始めました。現在では、組合員は47名にまで増え、村の支援を受けながら、加工から製粉・製麺まで手がけています。

おすすめ店南相木温泉 滝見の湯 【公式HP】
南相木温泉 滝見の湯
住所
長野県南佐久郡南相木村5633-1
TEL
0267-91-7700
営業時間
10:00 - 21:00(冬期は20時まで)
定休日
水曜日
料金

入浴料:450円(中学生以上)

相木そば:900円

十割粗挽き相木そば:1,000円

川上そば

川上村は、長野県の東南端、埼玉県秩父と山梨県に接する山深い県境に位置し、千曲川(信濃川)の源流の里としても知られています。かつては、寒くて米や麦も満足に採れない痩せた土地で、ソバに依存した食生活だったため、ハレの日のそば切り以外にも、普段から「梁越」(はりこし)と呼ばれる独特のそば饅頭が郷土料理として食べ継がれ、伝統料理として今に伝えられています。

おすすめ店善慶庵 【Googleマップ】
善慶庵
住所
長野県南佐久郡川上村原836-8
TEL
0267-97-2660
営業時間
11:00 - 19:00
定休日
木曜日
料金

もりそば(並):800円

もりそば(大):1,000円

梁越そば(はりこしまんじゅう)

「梁越」(はりこし)とは、そば粉を使った焼き餅のことで、川上村に古くから伝わる郷土料理です。「はりこしまんじゅう」あるいは「梁越そばまんじゅう」とも呼ばれています。そば粉にネギやショウガ、味噌を加えて水で練った蕎麦掻きを作り、それを粉を振ったお椀に入れて、天井に向けて投げ上げながら、形を整えます。熟練すると、天井の梁を越すほど高く投げ上げられることから、梁越しという名が付いたとか。丸くまとまったタネを、昔は柏の葉に包んで焼いたそうですが、今は囲炉裏の鉄板で両面を焼いてから灰の中にくべ、じっくり火を通して焼き上げます。

はりこしまんじゅうは、川上村の農産物等直売所「森の駅 マルシェかわかみ」で、地元の奥さんたちが手作りした商品を買うことができますよ!

八ヶ岳西麓産そば

茅野市の北東に広がる蓼科高原から八ヶ岳山麓にかけては、ソバの栽培が盛んで、茅野市のソバの作付面積は長野県内でもトップクラス。特に八ヶ岳の西麓は、標高1000m前後の南に開けた緩やかな草原で、昼夜の温度差が大きく朝霧が立ち、日照時間も長いことからソバの栽培に適しており、秋そばとしては日本で一番早く新そばが採れる産地だそうです。ビーナスライン沿いのそば店などが立ち上げた「八ヶ岳蕎麦切りの会」では、「献上寒晒し蕎麦」の復活に取り組むほか、茅野市や商工会議所など地域一丸となって、「八ヶ岳西麓産そば」の普及に取り組んでいます。

どうづきそば

「どうづきそば」とは、古くからの伝統の技とされる水萌千本杵搗製法みずもえせんぼんきねつきせいほうで捏ねた生地を手打ちした、そばきりのことです。水萌千本杵搗製法とは、江戸時代の伝統的技法である「寒晒し」したソバの実を、臼で製粉してから水を加えて捏(こ)ねるのではなく、千本もの杵で搗(つ)くほど手間暇をかけながら搗いて捏ねて生地にします。さすがに今の時代、これを人の手でするのは大変なので、信州大学の井上直人教授らが茅野市商工会議所や民間企業と共同開発した「千本杵搗機」を使って生地作りを行います。粗搗きした生地を、手打ちして細切りするのができるのは、茅野の蕎麦職人の職人技があってのこと。どうづきそばは、乾式製粉をしないので香りが飛ばず、香りが高いのが特徴です。また、晒さないので旨味が低下せず、甘皮のまるで和菓子のような淡い甘味を感じることができます。

おすすめ店そばのさと 【公式HP】
信濃路遊膳 そばのさと
住所
長野県茅野市塚原2-15-16
TEL
0266-73-0209
営業時間
11:00 - 19:00
定休日
木曜日(夏季無休)
料金

ざるそば:780円

八ヶ岳産地粉十割どうづきそば:1,600円

寒晒しそば

昔は”犬も食わぬ”と言われた夏の蕎麦ですが、「寒晒し蕎麦」は夏でも美味しいお蕎麦が食べられるようにと考えられた保存法です。秋に収穫したソバの実を袋に入れ、厳寒期に冷たい清流に10日間ほど浸した後、1か月ほど寒風にさらして乾燥させます。それを夏まで土蔵で熟成させ、その実の一番粉のみを使って蕎麦切りにします。寒に晒してアクを抜くことで、雑味が取れて、夏でも風味のある蕎麦が食べられるそうです。江戸時代には、諏訪の高島藩と伊那の高遠藩が、夏の土用そばとして将軍家に献上していたほど貴重な蕎麦で、「献上そば」あるいは「幻のそば」とも呼ばれています。

寒晒しそば作りは、明治の時代になって途絶えていましたが、平成17年に茅野市の蕎麦屋が協働で復活。現在、茅野市を中心にビーナスライン沿いにある11の店舗で、毎年7月中頃に開催される「献上寒晒しそば祭」開催期間中に、期間限定で寒晒しそばが食べられます。そばが無くなり次第終了しますので、食べられるのは10日間ほど。訪問はお早めに!

献上寒晒しそば祭 参加店 googleマップ
(白樺湖)
  • 蕎麦処 朝日ヶ丘
(蓼科高原)
  • そば庄 蓼科高原店
  • そば処 やまなみ
  • 信州手打ちそば工房 遊楽庵
(茅野市 郊外)
  • 味処 長寿更科
  • 呉竹房
(茅野市 茅野駅周辺)
  • 信濃路遊膳 そばのさと
  • そばきり吉成
  • 本格手打そば 更科
  • 味彩房 かなめ
(茅野市 金沢)
  • 勝山そば店

赤そば

ここで言う「赤そば」とは、主に伊那地域で栽培されている「高嶺ルビー」というソバの品種のこと。本来、日本で栽培されてきたソバの花は白い色をしていますが、1987年にヒマラヤから赤い花が咲くソバを日本に持ち帰り、信州大学の故氏原教授がタカノと共同で、真紅の花が咲く新しいソバの品種「高嶺ルビー」を生み出しました。その後も品種改良が重ねられ、味が良く見ても楽しめるソバとして、伊那地方のそば観光の目玉「赤そば」として広まっています。箕輪町にある「赤そばの里」では、9月下旬に赤そば花祭りが開催され、一面赤い絨毯のように華麗に赤い花が咲く赤そば畑を見に、大勢の観光客が訪れます。

おすすめ店水車家 【Googleマップ】
石碾きそば 水車家
住所
長野県上伊那郡箕輪町中箕輪大出2931
TEL
0265-79-9841
営業時間
11:00 - 19:00
定休日
水曜日(祝日の場合は営業)
料金

ざるそば:940円

赤そば(期間限定):1,000円

高遠そば

高遠町(現 伊那市)では、昔から蕎麦が郷土食として各家庭で日常的によく食べられてきて、『そばの打てない女は嫁には行けない』とまで言われる土地柄。江戸時代に信州高遠藩を治めた保科正之も大の蕎麦好きだったそうです。高遠ではこの時代から、辛い大根のおろし汁に焼き味噌を入れた”辛つゆ”で蕎麦を食べるのが一般的でした。この蕎麦の食べ方が、保科氏の会津への国替えの際に一緒に伝わり、会津地方で「高遠そば」と呼ばれる食文化として、今に受け継がれてきました。しかし、当の信州高遠では、こうした蕎麦の食べ方が当たり前で、特定の呼び名があったわけではありません。辛つゆで食べる蕎麦なので、「辛汁そば」とか「辛つゆそば」、「辛そば」などと呼ばれる程度でした。しかし、平成9年になって地域交流のため福島県会津若松市を訪れた当時の長野県高遠町の職員が、「高遠そば」というブランドの価値に気づき、その名を会津から逆移入。高遠町でも「高遠そば」という食文化を広め、地域活性化に繋げようという取り組みが始まりました。

おすすめ店高遠そば ますや 【公式HP】
高遠そば ますや
住所
長野県伊那市高遠町東高遠1071
TEL
0265-94-5123
営業時間
11:00 - 15:30(L.O.)
定休日
火曜日(1-2月は不定休)
料金

高遠そば(ざる二枚):1,200円

高遠三昧(ざる三枚):1,800円

行者そば

「行者そば」とは、古くから信州伊那地域で栽培されてきたソバのこと。奈良時代のはじめ(今から1300年前)に、修験道を確立した役小角(えんのおずぬ)が最後の修行の場として駒ヶ岳に登る途中、内の萱(伊那市荒井地区)の村人に温かいもてなしを受け、そのお礼にと山間の高冷地でも実る一握りの蕎麦の種をおいていきました。その種を村人は「行者そば」と呼んで大切に育て、以来この地にソバ文化が根付いたとされています。また、その子種が行者たちの手によって、伊那から戸隠をはじめとする各地の霊山に運ばれ、信濃の国全域にソバが広まったとする「信州そば発祥の地」伝説が、荒井内の萱には伝えられています。なお、行者そばの食べ方としては、今でいう「高遠そば」の辛つゆで頂くのが一般的です。

おすすめ店梅庵 【Googleマップ】
行者そば梅庵(ばいあん)
住所
長野県伊那市荒井内の萱7088-2
TEL
0265-76-5534
営業時間
11:00 - 15:00
定休日

火・水・木曜日(祝日は営業)

1-2月の冬季は休業

料金

行者そば(並):1,000円

行者そば(大):1,500円

信州大そば

「信州大(おお)そば」とは、昭和60年に登録された比較的新しいソバの品種で、信濃一号を元に信州大学農学部の故氏原教授が育成しました。一般的なそばより、約1.7倍も粒が大きく、多収穫なのが特徴です。ただし、寒冷地では栽培が難しいのが難点。そこで、比較的温暖で信州大そばの栽培に適している飯田市では、「飯田そばの会」が中心となって、飯田を信州大そばの名産地とすべく、栽培の拡大と普及の活動に取り組んでいます。毎月第2・第4日曜日に、そば打ち講習会を開催したり、春と秋にそば祭りを開催するなどしています。

信州中馬そば街道

中馬とは、江戸時代に静岡県の三河から、海のない信州へと、塩や海産物を運んだ馬のこと。その中馬の通った伊那・飯田街道は、別名「中馬街道」とも呼ばれていました。その馬方たちに愛され食べ継がれてきたのが、中馬街道に店を構えた蕎麦屋の信州そばです。そこで、阿智村、平谷村、根羽村の3村を貫く国道153号を「信州中馬そば街道」と呼び、沿線の蕎麦屋や自治体、商工会議所が協働して、ソバの栽培や収穫、ソバ打ち体験など、通年にわたる蕎麦のイベントを開催し、地元産のそばの普及に取り組んでいます。

おすすめ店蕎麦屋 侍 【公式HP】
蕎麦屋 侍
住所
長野県下伊那郡平谷村737-2055
TEL
0265-48-2622
営業時間
11:00 - 14:00(売切迄)
定休日

日・月曜日

1-2月の冬季は休業

料金

もりそば:900円

 〃 (大盛り):1,200円

下栗そば(しらびそ蕎麦)

「下栗の里」とは、飯田市上村にある「しらびそ高原」の険しい山肌に貼り付くように点在している、50軒ほどの小さな集落です。その、ほかに類を見ない独特の風景から、「天空の里」とか「日本のチロル」とも呼ばれています。この険しい山郷の下栗で栽培されたソバは、標高が高く寒暖の差も大きいので、香りが高い良質のそばとして人気があります。

おすすめ店はんば亭 【Googleマップ】
はんば亭
住所
長野県飯田市上村下栗1296
TEL
0260-36-1005
営業時間
10:00 - 15:30(L.O.)
定休日
木曜日(営業は4月から11月下旬まで)
料金

下栗手打ちそば(並):1,230円

天空そば定食:1,030円

さんまのそばだんご

現在の静岡県・遠江国の相良と、信州諏訪を結び、塩の道とも呼ばれる秋葉街道沿いにある、遠山川に沿って広がる山深い谷間の地域である遠山郷では、その昔から、遠州から運ばれてきた塩さんまをブツ切りにして、地元で採れたソバ粉を使った団子に包んで囲炉裏で焼いた、「さんまのそばだんご」が郷土食として、食べ継がれてきました。表面はカリカリ、中はモチモチのそば団子に、蒸し焼きされたサンマの汁が浸み渡り、骨まで軟らかく美味しく食べることができるそうです。

残念ながら、さんまのそばだんごは、遠山郷に何時行っても食べられる様なものではなく、「高原ロッジ 下栗」など、地元の民宿に泊まった際に、都合が付けば作って食べさせて貰えることができます。お泊りの際は、一度ご相談ください。